はじめに|忙しくて睡眠時間が削られていませんか

仕事、家事、家族のこと・・・・やることを全部片づけてから自分の時間を確保しようとすると、結局削られるのは睡眠時間だったりしませんか?
「寝る間を惜しんで頑張っている」つもりが、実はダイエットの停滞期を自分で作ってしまっているとしたら・・・・めちゃめちゃ残念ですよね。
停滞期の原因は「頑張り不足」だけじゃない
体重が思うように減らなくなる停滞期、原因はいつも「頑張りが足りないから」だと思われがちです。
でも実際には、続ける仕組みそのものが崩れていることが原因になっているケースも少なくありません。
この「仕組み化」の視点については、以前こちらの記事で詳しく取り上げました。

今回は、その仕組みの話とはまた別の角度——「睡眠」というホルモンレベルの原因について掘り下げていきます。
睡眠不足がダイエットに与える影響(ホルモンの仕組み)
食欲を左右するホルモン(グレリン・レプチン)と睡眠の関係
厚生労働省の「e-ヘルスネット」によると、健康な人でも数日睡眠不足が続くだけで、食欲を抑えるホルモンであるレプチンの分泌が減少し、逆に食欲を高めるホルモンであるグレリンの分泌が高まることが分かっています。
その結果、食欲そのものが増大してしまうとされています(注1)。
さらに、睡眠不足の状態では膵臓から分泌されるインスリンの働きが現れにくくなる「インスリン抵抗性」が生じ、同じ食事をとっても血糖値が上がりやすくなるとも説明されています(注1)。
加えて、夜間に活性化するBMAL1というたんぱく質には脂肪を蓄積し分解を抑える働きがあり、これが「夜に食べると太りやすい」と言われる仕組みの裏付けの一つになっているとされています(注1)。
つまり、睡眠が足りていないというだけで、食欲は増しやすく、太りやすい体内環境が整ってしまう、ということです。

成長ホルモン・コルチゾールと代謝への影響
睡眠と深く関わるホルモンは、食欲系だけではありません。
成長ホルモンは、入眠直後の深いノンレム睡眠(徐波睡眠)に一致して分泌がみられることが、e-ヘルスネットでも説明されています(注2)。
成長ホルモンは体の疲労回復にも関わるホルモンで、質の良い深い睡眠が確保できていないと、その分泌のタイミングそのものが乱れてしまう可能性があります。
また、ストレスホルモンとして知られるコルチゾールは、本来、早朝に高く、夜にかけて低くなるという一日のリズムを持っています(注3)。
睡眠が不規則になると、こうしたホルモンの自然なリズムも崩れやすくなると考えられており、体のコンディション全体に影響が及んでいく可能性があります。
コルチゾールについては、ストレスという別の角度から掘り下げた記事も書いています。

40代女性は特に睡眠の影響を受けやすい理由
加齢・女性ホルモン変化による睡眠の質低下
閉経前後の約10年間である更年期には、不眠症や睡眠の質の低下が起こりやすくなることが知られています。
加齢によって睡眠そのものが浅く短くなりやすいことに加え、のぼせや発汗、動悸といったホットフラッシュがきっかけとなって、深く眠れなくなることが多いとされています(注4)。
つまり40代女性は、若い頃と同じ感覚で「少しくらい寝不足でも平気」と思っていても、体のほうはすでに睡眠の影響を受けやすい状態に変化している可能性がある、ということです。
睡眠以外にも、40代の体では更年期に伴うホルモンの変化がいろいろな形で影響しています。全体像を知っておきたい方は、以前の記事「40代から太りやすくなる本当の理由」もあわせてご覧ください。

睡眠を見直すことを、停滞期の指導で優先してきた理由
睡眠だけが停滞期を動かす唯一の原因と言い切れるわけではありませんが、指導の現場では、体重がどうしても動かない時期こそ、いつも以上にしっかり睡眠を取ること、そして生活リズムが乱れていればまずそこを整えることを優先してお伝えするようにしていました。
焦って運動量や食事制限を増やす前に、まず眠りを見直す——これは停滞期の指導で欠かさなかった視点です。
今日からできる睡眠の整え方
就寝前の習慣を見直す
寝る直前までスマートフォンの画面を見続けていたり、カフェインを摂っていたりすると、寝つきそのものが悪くなります。
就寝の1時間ほど前からは、画面を見る時間を減らし、照明を落として過ごすなど、体が「そろそろ眠る時間だ」と認識できる環境を意識的に作ってみましょう。

生活リズムを整える工夫
平日と休日で起床時間が大きくずれてしまうと、体内時計そのものが乱れやすくなります。
毎日できるだけ同じ時間に起きる、朝に日光を浴びるといった小さな習慣の積み重ねが、睡眠の質を底上げしてくれます。

「仕組み化」と「睡眠」、両方の視点を持とう
停滞期を乗り越えるには、続ける仕組みを整える視点と、今回ご紹介した睡眠というホルモンレベルの視点、その両方を持っておくことが大切です。
仕組み化のテクニックについては、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

まとめ
睡眠不足は、意志の弱さの問題ではなく、食欲や代謝に関わるホルモンバランスを乱す、れっきとした体の反応です。
特に40代女性は、更年期による睡眠の質の変化も重なりやすい時期。ダイエットが停滞していると感じたら、食事や運動だけでなく、まずは睡眠時間と睡眠の質を振り返ってみることをおすすめします。
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使用した外部ソース
- (注1) [睡眠と生活習慣病との深い関係|e-ヘルスネット(厚生労働省)](https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-008.html)(2026年8月30日閲覧)
- (注2) [ノンレム睡眠|e-ヘルスネット(厚生労働省)](https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-048.html)(2026年8月30日閲覧)
- (注3) [独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所「ストレスホルモンを測る」](https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/mail_mag/2016/87-column-2.html)(2026年8月30日閲覧)
- (注4) [女性の睡眠障害|e-ヘルスネット(厚生労働省)](https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-005.html)(2026年8月30日閲覧)